「お金は寝かせて増やしなさい」を読みました。

梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)の水瀬ケンイチさんの 新著「お金は寝かせて増やしなさい」を読みました。
水瀬さんより献本いただきました。

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感想

本書は6章構成で、その合間に起承転結に分かれた漫画が挟まれています。
この漫画の部分だけを読んでも本書の概要が簡単に分かる構成になっています。

まずは漫画パートで軽く惹きつけておいて、 第2章でリスクとリターンの話から様々な理論に触れ、 売らずに我慢するテクニックや出口戦略まで硬軟織り交ぜた内容になっています。

読むべきポイントは沢山ありますが、 特に印象に残った第2章と第5章について感想を書きます。

第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法

資産配分に国内債券を混ぜることで、 期待リターンをあまり下げずにリスクを下げる旨の説明があります。
具体的に表「1年後の期待リターンおよび、最大リターン金額と最大損失金額の目安」 として株式クラスと国内債券クラスの組み入れ比率を10%ずつ変えた場合に リスクとリターンがどう変化するかがまとめられています。

私自身は2014年に投資を始めた時に ブログ版の表(【第5回】 保有資産の値動きの9割を決める資産配分の「肝」は意外にも日本債券だった! - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記) ) をもとに資産配分を考えて株式クラス70%・国内債券クラス30%と決めた経緯があったので、 とても懐かしく思うとともに、当時あれこれ考えていたことを振り返ることができました。

リスクやリターンの数字だけだとイメージしづらい部分があっても、 この表で国内債券クラスを10%ずつ増やすと期待リターンと最大損失が減る イメージが掴めると思います。

なお、ブログ版は表を拡大して見る必要がありましたが、 本書ではこの表が大きく見やすくなっていて、お勧めのポイントです。

第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記

2004年から2016年までの記録がまとめられていますが、圧倒されます。 まるでジェットコースターに乗ってるかのようにリスク資産が増減しますが、 この様子をその年のニュースと共に年単位でまとめています。

リーマン・ショックが発生した2008年のマイナス50%超の数字もすごいのですが、 それ以上に直滑降状態の折れ線グラフのインパクトは強烈でした。
また、その後のリスク資産の回復や急上昇も含めて、 リスク資産の増減の過程が分かる貴重な記録だと感じました。

また、暴落時のリスク資産の積み増しについても 必ずしもタイミングが上手くはまらない様子がよく分かりました。

あとがき

暴落に遭遇しても狼狽売りしないように準備をして、 あとは長期的な発展を信じることを理論的/実践的に述べた本でした。

そのため、今後暴落に遭遇した時には 本書の第5章を中心に読み返して、 お金も自分自身もぐっすり眠れるようにしようと思います。

お金は寝かせて増やしなさい

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