企業型確定拠出年金対象者に対する確定拠出年金法改正の影響を調べてみました。

確定拠出年金法の改正

5月24日に衆議院本会議で確定拠出年金法が改正されました。 改正のポイントは現役世代は誰でも個人型確定拠出年金に加入できることであり、 公務員、専業主婦といった人達が新たに加入できるようになりました。

現状と確定給付年金改正後で、確定給付年金拠出額がどのように変わるかを 表にまとめました。

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これらの詳細は下記のリンクを始めとする各ニュースサイトをご覧いただくとして、 あまり注目されていない「現状で確定給付年金と企業型確定拠出年金がある人の場合」の 影響について調べることにします。

確定給付年金と企業型確定拠出年金がある人の場合の影響

拠出額の変化

上記の表にも記載していますが、現時点で確定給付年金と企業型確定拠出年金の両方が ある場合は、拠出額は以下の通りになります。

企業型確定拠出年金拠出額 個人型確定拠出年金拠出額
現状 年33万円(月2.75万円) なし
改正後パターン1 年33万円(月2.75万円) なし
改正後パターン2 年18.6万円(月1.55万円) 年14.4万円(月1.2万円)

改正後のパターンは2つあります。

  1. 改正後パターン1は現状と同じで、企業型確定拠出年金のみを行うものです。
  2. 改正後パターン2は企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の両方を行うものです。 ただし、両方を行うためには企業型確定拠出年金の事業主掛金の上限を年18.6万円に 引き下げる必要があります。また、マッチング拠出を行っていないことが条件になります。

どちらのパターンでも拠出額の合計は年33万円と変わらないことが分かります。

これは現状において十分確定拠出年金を活用できる状況にあるため、 今回の改正でより一層充実させる必要はないと判断されているのでしょう。

自分の場合はどうするか?

上記の内容を踏まえて自分がどちらを選択するのかと言えば、 下記の理由で改正後パターン1で現状のまま静観します。

  • 企業型確定拠出年金においてマッチング拠出を行うと個人型確定拠出年金は利用できないが、 既にマッチング拠出を活用していること
  • どちらを選んでも拠出額の上限は年33万円であり、 企業型と個人型で2つの確定拠出年金口座を持つことになると管理が煩雑になること
  • 企業型確定拠出年金と違い、個人型確定拠出年金には口座維持等の手数料がかかること

まとめ

今回の確定拠出年金法改正で、個人型確定拠出年金の加入対象が公務員や専業主婦など増えました。
既に企業型確定拠出年金を利用している人についても、個人型確定拠出年金に加入することが できるようになりましたが、拠出額の総額は変わりません。

そのため、自分自身としては現状のまま静観しつつ引き続き確定拠出年金の情報を収集していきます。